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書評: アート・オブ・コミュニティ ―「貢献したい気持ち」を繋げて成果を導くには (THEORY/IN/PRACTICE)

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書評 技術書 オープンソース

Jono Bacon 著、 渋川 よしき 翻訳、 アート・オブ・コミュニティ ―「貢献したい気持ち」を繋げて成果を導くには (THEORY/IN/PRACTICE)を読んだ。オープンソースのコミュニティ論について日本語で表された唯一の書籍だと思う(といっても、オープンソースだけでなくどんなコミュニティにも応用可能とのこと)。タイトルにもある Art of Community をあえて翻訳するなら コミュニティの極意 だろうか。タイトルに違わず、著者がLinuxの巨大なコミュニティ内で練り上げたコミュニティマネジメントの実践論となっている。

危機に対して弾力的で自発的に発展するコミュニティを作るために必要なものは一体感と透明性。組織運用や対外的な作法、フィードバックの受け取り方、便利なツールなどについて言及されている。本書に書かれているハウツーの大部分はテキストコミュニケーションが前提になっていて、IRC が Slack が置き換わった現在でもそれは有効なはず。COVID-19の影響で多くの既存コミュニティがオンラインに移行することを考えると、その価値はむしろより大きいだろう。なお、本書で言及されているツール類については現在では選択肢が多くなっている。

2011年に翻訳された古い本だが、コミュニティマネージャー必携の一冊だと思う。