ポスト・アポカリプスに備えて、四分儀を作り北極星の高度から現在地の緯度を推測する方法を試す。
北極星で天体航測#
北極星は北極点のほぼ真上にある星なので、その高度を計測することで現在地点の緯度を知ることができる。 地球から観測している天体はほぼ無限遠方にあるため、地球上のどの地点から見てもその視線は並行とみなせるため、北極星の高度は緯度とほぼ等しい。
四分儀を作ろう#
簡易的な四分儀を作成して北極星の高度を計測し、現在地の緯度を推測してみる。適当な板を90°の扇形に加工し、錘と糸、筒状のスコープを取り付ける。これで完成。うねりのある洋上で使うには六分儀の方がいいらしいが、構造は四分儀より複雑になる。
北極星を見つける#
スコープを覗いて北極星をセンターに入れ、垂れた錘を基準にして板の傾きを計測すれば北極星の高度を測定できる。北極星を見つけるには、北斗七星を利用するのが簡単で、柄杓の先端(メラク - ドゥべ間)の長さを5倍したところにあるのが北極星になる。
計測してみる#
測ってみたところ、32.5°。計測地点の実際の緯度は35.4°なので、-2.9° のずれがあった。北極星の真北からのずれを44’とすると、( 参考)、ずれの範囲は -3.6° から -2.2° だ。 筒の水平をとったり、錘の支点のセンター出しをする工夫をすれば、もっと精度が良くなると思う。
なお、経度を知るのはとても難しい。基準となる世界標準時を知るためのクロノメーターと、現地の時刻を計測する方法が必要になる。